美しき花は罪
ラファエルは女性を背後から抱き締め、耳元で甘く囁く。女性は「ラファエル……！」と嬉しそうな声を上げ、ラファエルを見上げた。すかさずラファエルは女性にキスを落とす。

「今日も綺麗だね、フランソワーズ。さすが人気舞台女優だ」

ラファエルが褒めると、女優のフランソワーズ・ドロッセルは頬を赤く染める。恋する乙女の可愛らしい表情だ。ラファエルはフランソワーズの美しい手に触れ、その手にも唇を落とす。

フランソワーズの舞台を見た時、ラファエルは彼女と恋をしたいと思った。そしてアプローチをして、彼女とデートをする仲になっている。

舞台の上での彼女は、多くの人を虜にする完璧な美しい女性だ。しかし、ラファエルの前ではラファエルからの愛を求める可愛らしい女性となる。それがラファエルにとって嬉しかった。自分しか知らない彼女の一面を見ているからだ。

「ラファエル、愛してるわ」

ラファエルの肩に寄りかかり、フランソワーズは呟く。ラファエルも「俺も愛してるよ」と言い、バーテンダーにカクテルを注文した。
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