未来絵日記
栞は切なそうにルミを見ていた。



"ーールミ、一緒に逝こう"




栞ーーーー。





あ、と思うのも束の間だった。


グラッ、と揺れたルミの身体はーー手すりを越えていた。



何故か、クラスメートも助ける素振りを見せない。


栞の力だと私は思った。


ルミが先に落ちて、手すりに立ち上がった栞が振り返ったーー。








栞の口が動いたーーーーーーーー。








"ありがとう"ーーーーーー。






栞は追いかけるように、手すりを飛び越えた。


それはーー私にしか見えない。


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