私に恋を教えてください
「明日の集合は7時なんだよ。ここから柚葉ちゃんの自宅まで、2時間は掛かるでしょう。5時って始発がないんじゃない?」

だからスイートである自分の部屋を使えばいいじゃん、が侑也の主張なのだ。

「そんなこと、ダメに決まっていますよね!」
という須藤と侑也が、先程からにらみ合いになっている。

「駆琉スイートの意味知ってる?続き部屋、だよ。俺の部屋はベッドルームが2つある。だからそこに柚葉ちゃんが泊まれば解決じゃん」

「そんな事、了承できる訳ないですよね?」
「出来るだろ」
「絶対、ダメです」

須藤は深くため息をついた。
「分かりました。俺が常務の部屋に泊まります。榊原さんには、俺が抑えていた部屋に入ってもらいますので」

2種類の「え⁉︎」という声が上がる。
「そんなっ!申し訳ないです!」
「なんで、お前なんだよ!嫌に決まっているだろ!」

真ん中にいた須藤は、両手を挙げてピシャリと2人を止める。
「常務、無理に決まっていますよね。職権乱用やめてください。榊原さんを誘いたいなら、こういうタイミングではなくて個人的にお声を掛けて了承をもらってください。なし崩しは駄目です」
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