私に恋を教えてください
「そう、今だ。絶対に我慢しないで。嫌な時もいい時も、抑えないで。我慢しないで」
柚葉は頷いた。

「しま……せん。約束……します」
「うん。そういう約束。2人のルールだよ」

そう言った須藤が、柚葉の花弁にそっと指を滑らせる。
「……んんっ」
抑えようとしても堪えきれない声が柚葉から漏れてしまう。
「指が滑っているの、分かる?」

確かに須藤の指がするすると軽く動いているのが分かる。
「ん、はい……」
「濡れているから」
なぜ濡れてしまうのかぐらいは知っている。だからこそ、そんなことを教えられるのは羞恥心を煽られるような結果になるのだ。

「や……」
「いい、から濡れているんだと思うよ。柚葉それでいいんだ。それに俺がとても嬉しい」
けれど、それは間違ってはいないのだと須藤が優しく教えてくれる。

ゆっくり指を差し入れられる感覚は、自分ではないものが、入ってくる感覚をありありと感じさせる。
それは、とても不思議な感覚だった。

「大丈夫? 痛くない?」
「はい……。……んっ……」
指が増えたのが、分かる。
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