私に恋を教えてください
お菓子も美味しくて、カフェコーナーも美味しくていい雰囲気のお店。

「ゆっくりブランチして、デートしようか?」
「…っ! したいです」

柚葉は俯いて、駆琉のスーツの裾をきゅっと掴む。
「じゃあ、明日はどこかに二人で行こう」

スーツの裾を掴んでいる柚葉の手を取って、駆琉は給湯室に柚葉を引き入れる。
誰にも見られない一瞬の隙に、駆琉は柚葉のこめかみにそっとキスをした。

額を抑えて、柚葉が真っ赤になる。
駆琉は柚葉の頬を、つんと指でつついた。
口元には、笑みが浮かんでいる。

「赤い」
「……っそれは、駆琉さんがそんなことするからです」

「可愛くて我慢しきれないんだ。週末はもっと可愛がりたいな。覚悟していてね」
そう言って、笑顔を残した駆琉はやたらに爽やかで。

駆琉さんって、そんな人でした??

「では、仕事が終わったら、一緒に帰ろう」
「はい」

そんな風に、顔を覗き込まれて微笑まれてしまうと、どうしたらいいのか分からないです。
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