私に恋を教えてください
「シャツ、自分が着てほしくて着せたんだけど、ヤバい……」
駆琉のシャツは柚葉にはサイズが合わなくて、ぶかっとした襟元や肩が下がっているのも、袖が長くて指先が出るくらいなのも可愛すぎる。

裾からは下着は見えないけれどギリギリのラインや、そのすんなりした太ももが際どい感じにえっちっぽいし。
たまらなくなって、つい引き寄せてしまった。

「デートしませんかー?」
腕の中に収まっている柚葉が、駆琉の顔を指でつんつんしている。

「柚葉は行きたいところある?」
「憧れはありますっ!」
瞳をキラキラとさせる柚葉だ。

「それは是非聞きたいね」

「観覧車に乗ってみたいの」
「観覧車?」

「あの……海際のところにありますよね? すごく大きいの」
「あるね」

水族館の所にあるあれだろう。
確かに遠くからでも、高速道路からでも見えるくらい大きい。
1周するのに、2、30分はかかるのではないだろうか。

「あれに好きな人と一緒に乗ってみたいんです」
< 243 / 277 >

この作品をシェア

pagetop