私に恋を教えてください
「なぜ2課なの?」
「彼女の特性を考えると2課が適正なんだ」

「何者なの?」
瑛が慎重で、しかもそこまで考えるほどの新入社員とは何者なのか、みんな興味を示す。

「ある意味大事な預かりものだよ。この話はここだけに」
瑛が声を潜めて、その彼女を正体を打ち明けると、役員から一斉にため息が漏れる。

「よく、それを受け入れようと思ったね」
律も呆れたような表情だ。

「断れないし、実際会ってみたらすごく可愛くて」
「可愛いんなら仕方ない」
割とすぐに、意見を翻したのは侑也だ。

履歴書の写真を、まじまじとみている。
「確かに可愛いかも。ねえ、1課に配属してよ。俺専任にして欲しいな」

「まあ、侑也の意見は別として、瑛、あなたの言うことでも彼女の背景があっても、突然2課に配属するのは無理。1課で少し様子をみましょう。それ如何によっては、2課への転属を考えてもいいわ」

マネジメント事業部の部長でもある菜都はその履歴書をぽん、と指で弾く。
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