【完結】打算まみれの恋
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喉の乾きを感じて、ふいに目を開く。
天井にはカーテンレールの影が浮かび、煌々とした月明かりが差し込んでいた。
隣に目を向ければ、私に縋りつくみたいな滝永さんの寝顔が見えて、なんとも言えない気持ちになる。
正直なところあの救急車搬送事件が起きるまで、寝たら「はい、ゲームクリア、緋奈さん落ちたからバイバイね」とこの人が去っていくのではないかと疑っていた。
滝永さんは外で叫ぶような人ではあるし、無害とは程遠い。でも彼が私の前から去っていく未来を想像すると胸が傷んでいたのは確かで、今こんな風に一緒に寝ていることに安心を覚える。
「……いつの間にあなたはこんな風に、人の心に入り込んできたんですかね」
今までずっと、松戸円の妹として見られてきた。