【完結】打算まみれの恋


 少し怪訝な顔で見返してしまうと、彼は「俺はずっとしてきたもん……」と変な張り合いをしてくる。

「俺てっきりヤり捨てられたのかと思った……。起きたら緋奈さんいないし……寂しくて死ぬところだった」

 正直、そんな感じがしたからコンビニに行ったということもある。何度もされたら、関節とか骨がおかしくなりそうだし。「違いますよ」と暗にヤり捨て部分だけ否定すれば、彼は満足そうに私の手を握ってきた。

「それにサイドテーブルのとこ金か何か置いてなかった?」
「あれはメモです。塩を買いに行くと書いてあって」
「暗くて見えないよぉ」
「電気つけてください……」

 朝起きた時、この人がいつも通りだといいなと思っていた。確かにいつも通りではあるけど、まさかこんなことになるとは。というかもうあのコンビニ行けない。家から一番近いのに、どうしよう。

「まーじでびびったぁ。もう帰ろ。すげぇさみいもん。上着着てねえし」
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