【完結】打算まみれの恋
「いらっしゃいませ。お待ちしておりました」
滝永さんの親戚が営んでいるというお店に着くと、そこはいかにも高級そうなレストランだった。身構えた私に何かを察したのか、彼は「価格帯は普通だから大丈夫ですし、お会計は僕がお支払いしますから安心してください……!」と首をぎりぎり揺らしながらこちらを見る。
「中へどうぞ」
滝永さんには、洋服をもらってしまっている。その分のお金もあるし、自分の分は払うことを伝えようとするとお店の人は店の中へと入るよう促してきた。流されるようについていくと、私たちを個室へ案内しメニューを置いて去っていく。
「あの人が僕の親戚なんだ……」
「そうなんですか……」