【完結】打算まみれの恋

 滝永さんは、別に女の人が、苦手じゃない……?

「まぁ、今回上手くいったらな。っていうか本当に、松戸円の妹だなんて思わなかった……。あんな近くに運命ってあるんだよな……なんか震えてきたわ」

 滝永さんの話を聞いて、ずっと心に降り積もっていたものが散っていく。それと同時に、心の奥底から、「やっぱり」とあざ笑う声がした。

 女に慣れていないふりをして何故私に近づいてきたのか。

 理由は簡単だ。姉に近づくためだ。

 その作戦は私がこの場にいなければ成功していただろう。確かに私は一瞬、滝永さんを姉に会わせようと考えた。

 きっと滝永さんは難攻不落の姉を落とすために、ここまで回りくどい方法を使ったのだ。自分の親戚やその彼女を使って確実に姉を手に入れるために。
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