【完結】打算まみれの恋
私は鋏を取り上げながら、今の状況に眩暈を覚えていると、彼は畳みかけるように縋り付いてきた。
「ねえ、お願い! お願い付き合って!」
……あれ? そういえばさっきまでの要求は、嫌わないでだった。要求が秒単位でエスカレートしていっているような……?
「いや付き合うのはちょっと……」
「お願い、お願いお願いお願い、何でも、何でもするから」
「じゃあ……しばらく待っていただければ……」
「しばらくっていつ!? 待ってれば本命にしてくれる!?」
「えっとあの、ご縁があれば……」
「それって彼氏ってことでいいの? いいよね!?」
何だろう、言いくるめられている気がする。