【完結】打算まみれの恋
なんだろう。私は、男が嫌いだ。憎んでいる。そしてそれは滝永さんのおかげで変わってきていると感じていた。でもそれは、違くて、実際は滝永さんという新人類と交流をしていただけなのかもしれない……。
とりあえず一歩後ずさると滝永さんは私を掴む腕の力を強めた。その拍子に彼の手帳が地面に落ちてしまう。
「これ落ちまし……」
慌てて拾おうとして、絶句した。服のデザインが描かれていたページのそのまた次のページには、さっき見たページと同じように私が描かれている。
でも、服を着ていない。一生こんな顔しないと断言できるような、あられもない痴態の私に全身の血の気が引いた。
「結婚しよう!結婚!」
私はあまりの凄惨な状況に頭がくらくらしながら、ぎこちなく首を傾けた。