【完結】打算まみれの恋


 もう少し落としがいあるほうが面白いけど、顔も身体も好みだし最近は「男遊びもう飽きてきたかな?」みたいな年上ばっかり相手してたから、まぁまぁ新鮮だ。

 俺は名前も知らない、そしてこれから先会うことない女の腰を抱きフロアの外れへと向かっていった。



「お前だけは相変わらず絶好調だなあ!」

 飽きた気持ちでフロアへと戻ると、主催が呆れ顔でこちらを見てきた。酒の入ったグラスを受け取り一気に飲み干せば、火照った身体に冷たい酒が流れていって気持ちがいい。さらに一杯注文していると主催が俺に声をかけてきた。

「さっきの女どうした?」
「そこら辺の布かけてトイレに置いておいた」
「お前……いつか子供出来たって脅されるぞ」
「だいじょーぶー。だるいこと言われないように徹底してるから」
「ったく……頼むから揉め事は起こさないでくれよ? もうお前が頼みの綱なんだから、見ろよほら」

 主催に言われ周りを見る。前はひしめき合って互いの顔すら見づらいくらいごった返していたけど、今は所々間が空いていた。
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