【完結】打算まみれの恋


 俺の言葉に和泉は眉間にしわを寄せた。彼女とはもちろん会いたい。でもこの店で会うのは少し良くない。調べたところによると俺の運命の女の子は男を本気で嫌っているらしい。過去の男がいないことは嬉しかったけれど、このまま近づいても警戒されてしまうだろう。

「俺は、すっげー女苦手っていう感じで行くから、女慣れに協力してほしいっていう感じで紹介してほしいんだけど」
「面倒くさまわりくど死ねよ」

 ぼそっと和泉は悪態をつくと、「じゃあ早めにくっつくよう善処して、死ぬ気で行けよ。そして晴ちゃんには関わるな」とこちらを睨み付けて仕込みを再開する。

 そうして俺は和泉の協力をとりつけ、清々しい気持ちで店を後にしたのだった。
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