【完結】打算まみれの恋
「その前に親とさりげなく会えばいいだろ死ね」
「なにそれ」
「親にいい印象持ってもらって悪いことないし。結婚したら家族になるし、今のうちから仲良くしたら。おいおいお見合いとかセッティングしてもらう布石にすれば」
「仲良くってどうすんの? 金払えばいい?」
緋奈さんの親と、仲良く……したいけどどうすればいいか分からない。どうすれば人は仲良くできるんだろう。貢ぐとか……? 今まで俺に近づく女は皆そうやって気を引いてきた。俺は軽く話をするとか飲みに行くとかそれくらい。
でも緋奈さんは酒飲めなそうだし、俺も飲めないキャラでいっちゃったし……考え込んでいると和泉は大げさにため息を吐いた。
「お前テンパりすぎだろ。童貞じゃん完全に、そもそも今日告白をするんだろ? すっとばしてプロポーズとか何がしたいわけ? 不審者だろ」
だって緋奈さんが可愛い。あの子の顔を見ているとどんな話をしていいか分からなくなって頭が真っ白になる。