【完結】打算まみれの恋
「これで実は彼氏いるとか言われたらキツすぎじゃない? 無理でしょ絶対無理だわ死ぬわマジで考えただけで気持ち悪くなってきたしもう無理だわ腹痛い。全身が痛い。知らない間に飛び降りたのかも」
「片腹?」
「いや違うし愉快なほうじゃねえよバカ本当バカ。マジで今までどんな思いでお手紙交換やってきたと思ってんの?」
「確かにお前とは真逆の人格を演じてるよな。笑える。女とっかえひっかえして、最終的に顔さえ悪くなければ金払ってくる女と遊び倒してたお前がそんな頑張り見せてくると思わなかったわ。賭けで負けたからテレビ局紹介しないと」
和泉は意味のわからないことを言う。テレビ局って一体何のことだ?
「何……何の話? つうか他人事だと思ってさっきから何なのお前」
「だって他人事だし。っていうかここまでしたんだからもう俺と晴ちゃんに関わって来るなよ」
「まぁ、今回上手くいったらな。っていうか本当に、松戸円の妹だなんて思わなかった……。あんな近くに運命ってあるんだよな……なんか震えてきたわ」
緊張で頭がおかしくなりそうだ。和泉の店は貸し切りが出来るとはいえ食事をする場所に選んだのはミスだったかもしれない。緊張で吐きそう。