【完結】打算まみれの恋

「あの、本当にクリスマスは穏やかに過ごす方向でお願いしたく……」
『分かった! 女の子って大変だよね。毎月痛い思いしてさぁ……あ、もしかして寝込む系?」
「いえ……?」
「そっか! キツかったら言ってね。俺いつでも看病行くから。それに当日なっちゃったら全然緋奈さん家いていいよ。食べれそうなもの作って俺が行くから』

 じゃあね! なんて軽い調子で電話を切られ、どことなく腑に落ちない気持ちになった。毎月痛い思いをする。なっちゃう。寝込む。また話が突然変わった気がしたけど、なぜだろう……。

「もしかして、生理だから断られたと思っている……?」

 思わず口から出た言葉に背筋が冷えた。私は、関係をすすめることがあまりに急すぎるから断っただけだけなのに。

 正直、滝永さんとこれからどう接するべきなのかすら分かっていないのだ。絶対付き合いたくない大嫌いというわけではないけど、積極的に付き合おうと思えない。
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