【完結】打算まみれの恋
両思いなら
「あ、犬ビデオ終わった! 次猫見る?」
そう言って滝永さんが私の家のリビングで、ブルーレイをいじる。窓の外は霙の混ざった雨が降り注いでいた。
「はい。その前に休憩にしましょうか」
クリスマスから一月後。天候が悪く水族館デートが急きょ我が家のデートに変更になった。
正直なところ、そういう空気になったら嫌だからという理由で滝永さんの家ではなく私の家に来て欲しいとお願いしたけど、彼は「お呼ばれされちゃった!」と終始テンションが高くて、心が痛む。
私は男という人種を無差別に憎み、性的なことを嫌悪していた。滝永さんの特殊な行動を見ているとただでさえ気乗りしない行為に不安も加わる。彼と一緒にいることは嫌な訳じゃないけど、性的なことへの漠然とした恐怖があるのだ。
「緋奈さんさ、ちゃんと保健の授業とかでお勉強してなかったのかなと思って、怖くないように今日絵本書いてきたよ」