【完結】打算まみれの恋
私は滝永さんとは文通によって知り合い、当時の彼は本当にしっかりとした大人で、なんていうかきちんとした情緒や風情を持つ人だという認識だった。
だから正直日に日に退行し社会性を自らそぎ落としていく彼を見ていると、違和感や未知との遭遇に近いものを覚える。この奇行や性的な価値観さえなければ素直な人柄で考え方も好きだ。一緒にいてもつらくないと思える。
でも例えば滝永さんとそういうことをしたとしたら、彼は私に飽きてしまうんじゃないかと思うこともままあるのだ。
今までインスタントにそういうことを行ってきた滝永さんにとって、そういうことをしたがらない私は異例の存在だ。彼は無意識化の間にゲームに夢中になっているつもりで、私と一線を越えたらこの熱が冷めてしまうような気がしてならない。
「でもさ、安心してよ。俺は緋奈さんに襲い掛かったりしないし。用意もしておくからね。っていうかしてるし。引き出しパンパンになってるから」