【完結】打算まみれの恋


 今まで別に滝永さんが家に来た時に姉も居たときはあった。でも姉は普通にしていたし、テストの意味なんてないのではと思ったものの最初は泳がせるそうだ。

 前に警察に密着するドキュメンタリーで、暴力団が自分と敵対する半グレ集団を襲う時最初は泳がす、みたいなことを言っていた気がする。溜息をついていると、ふと異変に気付いた。

 滝永さんの顔色は明らかに悪い。お腹をさすり冷や汗を垂らす姿は食あたりを起こしているように見えるけど、そのわりに下半身をちらりと覗く動作が気になる。

「あの、滝永さん、下半身痛くないですか」
「ゼンゼン!」

 彼はそれ以上言葉を紡ごうとはしない。しばらく様子を見ている間に顔色はどんどん悪くなり、ズボンの上から下半身に手をやる回数が圧倒的に増え、徐に下半身に直接手を置き、やがて置いた手を動かさなくなった。
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