大人になってもまた君と


私たちが好き勝手に頼んだお酒やおつまみがテーブルに並べられた頃。

「待たせてごめんな。電車がまさかの遅延でさ。もう一本前に乗るべきだったわ〜」
「わっ、みんなめっちゃ可愛いじゃん!名前なんて言うの?」
「おい、そんなにぐいぐい行くな。引いてんだろ」

私たちの向かい側に突如現れた3人の男の子たちがなんの迷いもなく座った。
今風の若い男の子たちで大学生なんだと思うんだけど……。

え、なに、なんでここに男の子が?
なにが起きてるの?
席を間違えているのではなくて?

なんで合コンみたいな形になってるの?!

「ここの料理めっちゃ美味しそう!早くお酒頼もう!」
「この料理なら、このお酒の方が合いそうだな。よし、俺はこれにする」
「じゃあ同じの頼もーっと」

私のあからさまな動揺に気づくことない目の前の3人はおかまいなしにメニューをペラペラとめくっている。

私の不審げな視線にも気づかない。

矛先を向ける相手を友達へと変えて、キッと下から鋭く睨みつけた。

「……どういうことか説明して」
「あはは、彼氏が欲しくて!こんな形にしてみました〜!」
「"あはは"じゃないよ!私、彼氏いるんだけど?!」

「えー!彼氏いるの?!僕、狙ってたのになぁ……」

私の彼氏がいるという言葉に反応したのは一番チャラそうな男の子。
可愛い系の顔と口調でいかにも年上ウケが良さそうだ。
彼氏がいる私にとってはどうでもいいポイント。

潤んだ瞳で見つめてきても、無駄なんだからっ!!

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