.*・゚ .゚・*.若頭の狂愛.*・゚ .゚・*.

幼なじみ





教室に戻ると彼女に声をかけられる



「真白·····また告白されてたね·····それにその相手はこの学園のプリンス」






「うん·····」










「もう真白!もっと元気出さないと!」





幼稚園の頃からの幼なじみで唯一信頼出来る友達であり親友の望月楓(もちづきかえで)立ち上がり私のほっぺたをぷにぷにつねる





望月財閥…車メーカーの一人娘であるご令嬢





頭が切れて自分でも株を経営していてこの年で成功を収めている実力者





見た目はボブのサラサラの紫色の髪の毛




お人形さんみたいな完璧なスタイルに




クリっとした大きな瞳に小さい顔の美人さん





彼女もよく誰かに呼び出されては告白を受けているところを見る





楓がモテて人気があることはすごく理解できるけど




私なんか…何もいい所がない




勉強も特にできるという訳でもなく




極道だからといって運動が飛び抜けているということも無い




だから…時々思う





サバサバしていて美人で仕事もできるから男女関係なくモテていて頼りにされている彼女が…羨ましいと…




「楓ひゃん…話してくだひゃい」





彼女は掴んでいたほっぺたを離す




「またなんかぼーっとして…自分世界に入ってたでしょ」




そして鋭くて勘がとても良くて…そこは怖い





彼女に向かってはにかんだ笑顔を見せる




苦しいくらいに抱きしめられる





「楓…ぐるしい」




「はぁ…お願いだから自分が可愛いって自覚して…あの笑顔は反則…もういっその事私と幸せになる?」





その言葉に何故か嬉しくなり



パァっと彼女に笑顔をまた向ける



こんな楓みたいな男子がいたら私も好きになっちゃうよ



「もう…ほんと可愛いんだから…」




楓みたいな美人に褒められて実は少し嬉しかったりもする




褒められて嫌というか…苦手な人もいるだろうけど私は人によるのかもしれない…




この時間がずっと続けばいいのにと思う




けど…そんな願いは神様は叶えてはくれない




今日もあの男の元へ行かないと行けないのかと思うと憂鬱な気分になる




心配そうに私を見て頭を彼女は優しく撫でてくれる




あぁ今だけは…何も考えないでいようと思う











休み時間…



宿題で出ていた難しい数学の問題を彼女は教えてくれる



彼女に教えてもらうと全くわからなかった問題が驚く程スラスラ解けてしまう




やっぱり彼女は凄いと思い知らされる




放課後になると楓とは同じ方向の家だけど私の行く先は反対方向






「真白·····今日もなの?黒川さん·····」






「うん…そうみたい」






彼女が心配しないように笑顔を向ける





「真白…何かあったら力になるから言いなさいよ…!私もついて行った方が…」





「ありがとう…楓…でも大丈夫だよ?心配してくれてありがとう…」





そう言うと彼女は心配そうな顔を向けて私に手を振ると違う方向で車に乗って帰っていく








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