.*・゚ .゚・*.若頭の狂愛.*・゚ .゚・*.

男の部屋




あの男が来るまで部屋に座り込み髪の毛をいじる




5分くらい時間が経つといつものようにあの男がやってくる






トントントン





廊下から少しだけど足音が聞こえる





襖が開かれると座り込んでいる私に男は冷酷な視線を向ける




「待たせたな」



「そんなことないです…」




今日もいつものように男の手には着物が持たれている





座り込んでいる私の手を引いて立ち上がらせる





いつものように折りたたまれている黒色の落ち着いた着物を私差し出すと私が着替えるのを待つ






これもいつもの事·····






ワンピース型の白を基調とした胸元に大きな垂れるようなリボンが付いている制服をするりと脱ぎワンピースで前を隠しながらピンクレースの下着だけになる





その上から渡された着物をを羽織って帯を占める





最初はずっと恥ずかしがってたけれど






この男の気に触れるようなことをしたら怖くて…逆らう事なんて出来ない






黒色の着物を着終わるといつものように準備されたベッドに引っ張れると急に押し倒される





いつ寝ても大きいキングサイズのベッド






部屋の天井は高くて、部屋も広いからベッドが小さく見える





男はベッドに付いている薄い透けている黒のカーテンをシャッと閉めると




その漆黒の瞳を私に向ける





この男は黒川枢(くろかわかなめ)

25歳



世界有数の黒川財閥の子息であり


裏の組織で動いている黒川組の若頭

漆黒の吸い込まれそうな切れ目の瞳に

陶器のように白い肌に筋の通った綺麗な高い鼻に滑らかならいの顔

サラサラで艶のあるの漆黒の髪の毛をセンター分けにしている

背は186cmと高身長


誰が見ても容姿端麗、頭脳明晰な美男子であり





そして私の許嫁…である




世間では若頭であり頭のキレるこの男に男は恐怖…又は憧れ…女は媚びそして群がる




そんなことを考えているうちに男の大きな手のひらで片方の頬を触られる





少しずつその男の綺麗な顔が近づき




ギュッと目を瞑る





いつものように私の体の一部に自分のものだという独占欲の塊である紅い跡を私につける






男は少し私の着物を緩ませると首筋を出させ





チクッと言う痛みが首につく





また·····目立つところに·····





満足したのか何もいわず布団に入るとさっきまでのことが何も無かったかのように一緒に眠りにつく





寝返りを打とうと後ろを向こうとすると強制的に前に向かされ向かい合って寝ることに·····





「何してんの?」





男の冷酷な声に肩を少し震わせる





ご機嫌ななめだ





男の胸元に自分の顔を押し付ける




もう何も言っては来ない




男からはいつも通りシトラスの香り





頭を撫出られるとすぐに眠気が襲いかかり





いつの間にかに意識を失ってしまった





いつも通り起きると今は20時過ぎ





横にいる彼はまだ眠っている





眠っていたらまだ可愛いのに…




その強さや威厳は歴代最高超とも呼ばれ恐れられている





今私の横で眠っているこの男がその人物だ




なぜならこの男には情けというものがないからだと私は思う





私は起き上がり着物を整えて戸を開けて男を起こさないようにゆっくり動く




襖を開けて外に出ると扉の前には男の補佐の人がいてもう帰ろうと前を通り過ぎようとしたら腕を掴まれ呼び止められる




「真白さん·····若の用意した車で帰ってください·····若が心配しておられました」




その言葉に冷めた目を向ける




「お願い聞いてもいいけど·····ここには一切来ないから」




その一言で彼は黙り込む



毎日まいにち呼び出されてこの時間に睡眠をとる習慣になってからは生活リズムが崩れて行った




夜眠れなくて学校ではウトウトする日が続く




お願いだから一人の時間が欲しくなる



私が気づいていないとでも思っているのだろうか



学校までの送り道も車に付けられたり




学校でも誰かの視線を感じる



あの男が付けた監視役…




この補佐でもあの男には全然敵わなくて




私を説得するなん…そんなの無理だから





この人はあの男の言いなりだから






玄関を出て大きな庭を通り過ぎると黒いベンツが家の前で泊まっている






プルルル





時前に電話しておいたタクシーが後ろで固まっている






私は運転手である組の男の前を通り過ぎると後ろのタクシーの扉を開けて乗り込む







行き先を伝えるとタクシーは動き出す






外はもう暗い





疲れて目を少し瞑る








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