貴女と世界を壊したい
「ぁ………」
その瞬間に、時が止まった。
その子の瞳から目が離せなくて。
可愛いとか綺麗とか、そんなことを思う余裕すらなかった。
肺がぎゅうっと掴まれたかのように息苦しくなり、そのくせ心臓がドクンと大きな音を上げる。
胸にじんわりと温かいものが広がる。
耳に血が上る。
何故か泣きたいほどの切なさが込み上げてきて、自分でもその正体が分からないままに、ハッと短く息を吸って、吐いて、
そして、目を逸らした。