貴女と世界を壊したい
ただの気のせいかも、とか
憧れと間違えてるだけじゃないの、とか
そんなドラマのヒロインみたいな葛藤は1個もなかった。
恋なんてしたことなかったのに、すんなりと、これが“そう”なんだと分かってしまった。
心臓がぎゅうっと掴まれたみたいで苦しい。
顔が熱くて、なんだか少し泣きそうになる。
……なんでだろう、恋ってもっと幸せな、ふわふわした気持ちになるかと思ってたのに。
「……ね、綾瀬さんのこと、咲って呼んでもいい?」
私いま、この人に近づきたくてたまらないや。