あふれるほどの愛と涙を、キミに。
翌日。
「今日は、前々から言っていたように席替えをしていきたいと思います」
先生の言葉に、わたしは背中がゾワっとしてしまった。
つまり、新しく隣の席になる人が1番わたしの近くでチックを見るということだ。
チックが……チックが、出ませんように……。
できれば、双葉がわたしのそばにいてくれたらいいんだけど……。
そう思いながら、先生は黒板に白いチョークで生徒の名前を次々に書き、どんどん次の席が分かる人が増えていく。
「あっ……」
双葉が、前から2番目の席に決まった。
わたしも、そのあたりにしてもらえるといいな……。
「あっ……」
『岡崎』と書かれたその場所は、双葉の苗字である『犬飼』と書かれたところとはだいぶ離れてしまったところだったのだ。
わたしの隣は……恋木くんだったのだ。