あふれるほどの愛と涙を、キミに。

翌日。



「今日は、前々から言っていたように席替えをしていきたいと思います」



先生の言葉に、わたしは背中がゾワっとしてしまった。

つまり、新しく隣の席になる人が1番わたしの近くでチックを見るということだ。


チックが……チックが、出ませんように……。


できれば、双葉がわたしのそばにいてくれたらいいんだけど……。


そう思いながら、先生は黒板に白いチョークで生徒の名前を次々に書き、どんどん次の席が分かる人が増えていく。



「あっ……」



双葉が、前から2番目の席に決まった。


わたしも、そのあたりにしてもらえるといいな……。



「あっ……」



『岡崎』と書かれたその場所は、双葉の苗字である『犬飼』と書かれたところとはだいぶ離れてしまったところだったのだ。


わたしの隣は……恋木くんだったのだ。




< 11 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop