あふれるほどの愛と涙を、キミに。

「よろしく岡崎」



みんなの机が移動し終わり、恋木くんはそう言ってくれた。

あの時と同じだ。
同じ部活の人にも見せていた、あの太陽みたいな明るい笑顔。



「恋木くん……よろしくねっ」



わぁ、やっぱり恋木くんって誰にでも愛想がいい。


本当に、太陽みたいだ。

明るいだけじゃない。

さっきまでわたしは、ドキドキしていて、心臓はまるで吹雪が降っているかのように、ぶるぶると震えていて。


表情も氷のように固まっていたのに。


恋木くんの笑顔を見ただけで、わたしの表情は少し柔らかくなった気がしたんだ。


震えていた心臓だっておさまって、気持ちもポカポカとあたたかくなる。


恋木くんの笑顔の力って、すごい。


サッカー部の人って、みんな恋木くんの笑顔をいつも見て元気をもらっているのかな。


なんだか……いいな。




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