あふれるほどの愛と涙を、キミに。

思わず声が聞こえて、ビクッとした。
振り返ってみると、そこには恋木くんの姿があったのだ。しかも、わたしと同様、恋木くんもまだ制服姿だったのだ。



「わあっ、びっくりした。恋木くん、どうしたの?」



「いやぁ……後ろ姿が見えたから岡崎かなって」



頭を掻きながら、恋木くんはそう笑う。



「あははは……。よくここ来ちゃうんだよねぇ」



「そっかそっか。やっぱり、女ってこういう店好きだよな」



そう言ってから、恋木くんはわたしの隣まで歩いてきて、辺りを見回した。



「ふふっ、うん。ぬいぐるみとかあって、可愛くて癒されるからね。わたしは結構好きなんだ」



「犬飼は一緒じゃないの?」



「双葉は、今日用事あるからね」



恋木くん、わたしが双葉と一緒にいることも知っているんだ。まあ、学校の時は双葉と一緒じゃないことなんて滅多にないから当たり前か。


それに……学校だけじゃないんだな。

恋木くんって、いつだってこうして太陽みたいな笑顔をするんだ。


そうだよね。
学校以外でも、誰にでも太陽の笑顔を見せる恋木くん。

だから恋木くんは、みんなに愛されるんだ。




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