あふれるほどの愛と涙を、キミに。
「そういや岡崎ってさー、このあと予定あんの?」
唐突に、恋木くんが聞いてきた。
「え……ないかなー」
お母さんは、多分いつも時間通りに帰ってくるから、今帰ってもまだしばらくわたしは1人で過ごすことになりそうだし。
「ならさ……ちょっとついてきてもらってもいい?」
「えっ!?」
思いもよらないことだった。
ついてきてもらってもいい、なんて。
一体何の用なんだろう。
でも、恋木くんがわたしに嫌なことをするために呼ぶことは絶対にないだろう、と思う。
「ごめん、急すぎたな」
「ううん、予定ないし。大丈夫だよ。ついて行くね」
わたしは、そう言って歩き出す恋木くんの背中を追った。