あふれるほどの愛と涙を、キミに。
第1章
「おはよう、蕾(つぼみ)」
「双葉、おはよう」
今話しかけてきたのは、わたし、岡崎 蕾(おかざき つぼみ)の親友の、犬飼 双葉(いぬかい ふたば)。
「……アッ!」
……ま、また叫んじゃった……。
「ご、ごめんね。双葉」
「いいの、いいの! 気にしない気にしない!」
双葉は、わたしの手をぎゅっと手を握ってくれた。
今、このように叫び声が出るのは自分の意思じゃない。
わたしは、トゥレット障害。
自分の意思でもなく、短い叫び声が出たり体が動いたりするもの。