あふれるほどの愛と涙を、キミに。
「気にしない、気にしない。こっち行くよ」
「うん……」
双葉に腕を引っ張られ、わたしは俯いたまま歩く。
幸い、まだホームルームまで10分以上時間があるのでトイレにも人が少なかった。
「大丈夫、蕾は悪気ないんだから。悪意を持って好き勝手言う方が、汚いんだよ」
そう言いながら頭を撫でる双葉の手は、いつだって泣きたくなるくらいあったかくて、柔らかい。
このあったかさが、柔らかさが、わたしの学校生活での、唯一の救いだった。
「双葉、ありがとう……」
双葉は、わたしの障害をわかってくれる、大切な大切な親友。
どんなに叫んでも、どんなに体が動いても、受け入れてくれる優しい優しい親友。