あふれるほどの愛と涙を、キミに。
女の子達が去っていた方を、双葉は姿が見えなくなるまで睨んだ。
教室を出ると、今度はわたしの方に悲しそうな表情を向けた。
「蕾……」
「双葉……」
「ごめんね、守ってあげることしか、できなくって」
双葉を謝らせちゃった。
わたしがチックがあるせいで、いじめられているせいで。
双葉を悲しませた。
“ごめんね、守ってあげることしか、できなくって”
なんて。
違うんだよ、双葉。
双葉が守ってくれるから、わたしは1人じゃないんだよ。
双葉がわたしを守ってくれる、というのは、わたしの大きな大きな救いなんだよ。
「蕾のこと、わたしが絶対離さないから。わたし、絶対絶対、蕾にできること全部やるから」
「双葉、ありがとう……」
双葉の言ってくれた言葉は、泣きたくなるほど嬉しかった。