どうにもこうにも～出会い編～

晩酌

「えー、何その人かっこいい！」
　
　ゼミが終わった後、今朝の出来事をゼミ仲間のトモちゃんに話すと目を輝かせて身を乗り出した。
　
「なんかドラマみたいだね！やだぁ恋愛に発展しちゃうかもぉ」

「恋愛はないよー。年上すぎるもん。たぶん30半ばだよ？ていうか第一そのくらいの年なら結婚してるし子どももいるでしょ」

「結婚指輪してんの？」

「いや、してなかったんじゃないかな？でも結婚してても指輪付けない人だっているでしょ」

「絶対独身だよー。家庭があるのにひとり酒するような人が結婚してるはずがないでしょ。今、年の差婚とか流行ってるし、私の友達も30そこそこの人と付き合ってる人いるよ？その人どんな感じの人？」

「なんか、いっつも哀愁漂わせてんだよね。でも紳士的な人だと思うよ。背高くて細身。あれはきっと若い頃モテたに違いない…」

「えー超気になる！これ絶対恋に落ちるパターンだよー」

「だからそんなんじゃないって！」