どうにもこうにも~出会い編~
駅に着いて時計を見ると11時半を過ぎていた。バイト上がりにいつも乗る電車まであと10分弱。私は駅のホームのベンチに座った。
金曜の夜だからか、今日はいつもより駅のホームに人が多い。
ベンチに座ってから数分後、聞き覚えのある声が後ろの方から聞こえたような気がした。その人は電話で誰かと話しているようだった。どうやら仕事の話のようだ。
なんでこんな時間にまだこんなところにいるんだろうと思いながらも、口元が緩み出してしまっていた。その声は次第に近づいてくる。私の斜め後ろでその声は立ち止まった。その人は電話を切ると深くため息をついてひとりごちた。
「参ったなぁ…」
「何に参ってるんですか?」
「!?あぁ、あなたですか。びっくりしました」
声の主は思った通り西島さんだった。彼は一瞬目を見開いて硬い表情を見せたが、すぐ柔らかな笑みをこぼした。
「お隣よろしいですか?」
「はい、もちろん」
西島さんは私の左隣に座った。肌寒くなってきたのにトレンチコートもスーツのジャケットも脱いで腕にかけていた。
金曜の夜だからか、今日はいつもより駅のホームに人が多い。
ベンチに座ってから数分後、聞き覚えのある声が後ろの方から聞こえたような気がした。その人は電話で誰かと話しているようだった。どうやら仕事の話のようだ。
なんでこんな時間にまだこんなところにいるんだろうと思いながらも、口元が緩み出してしまっていた。その声は次第に近づいてくる。私の斜め後ろでその声は立ち止まった。その人は電話を切ると深くため息をついてひとりごちた。
「参ったなぁ…」
「何に参ってるんですか?」
「!?あぁ、あなたですか。びっくりしました」
声の主は思った通り西島さんだった。彼は一瞬目を見開いて硬い表情を見せたが、すぐ柔らかな笑みをこぼした。
「お隣よろしいですか?」
「はい、もちろん」
西島さんは私の左隣に座った。肌寒くなってきたのにトレンチコートもスーツのジャケットも脱いで腕にかけていた。