どうにもこうにも~出会い編~
 私はスマホのメール作成画面を見つめてため息をついた。バイトから戻って早速西島さんの電話番号とアドレスを登録。それからメールを送ろうと書いては消し、消しては書いてを繰り返していた。

「シャワー浴びよう…」

 シャワーを浴びながら考えよう。メールをつくり始めてからかれこれ15分が経っていた。

 大したことではない。飲みに行く日取りを決めるだけだ。自分はいつ都合がよくて相手はいつ都合がよいのかを把握するだけなのだ。

絵文字を使うべきか使わざるべきか。友達にメールするみたいな口調ではダメだしあまりに丁寧すぎてもおかしいし。なんでメールを送るだけでこんなにいろんなことをごちゃごちゃ考えてしまうのか。自分がおかしくなって苦笑した。熱いシャワーが私の頭をクリアにさせる。


 気を取り直してまたスマホに向き直った。試行錯誤の上、一応文面は完成した。

『件名 石原です
 おつかれさまです。
 例の件でメール致しました。私は毎週月曜日と木曜日の夜は空いています。来週は土曜日も空いています。あまり都合のつく日がなくて申し訳ありません。西島さんの都合のつく日を教えていただけますか?』

「こんなもんかな…」

 えいっ。送信。

 3分も経たないうちに返信が返ってきた。

< 37 / 104 >

この作品をシェア

pagetop