どうにもこうにも~出会い編~
『件名 Re:石原です
 お疲れ様です。今電話してもいいですか?よろしければ電話番号を教えてください』

「!?」

 西島さんは私に電話を掛ける気ですか。電話番号をメールに打って送信すると、すぐ着信音が鳴った。

「はい、石原です」

「西島です。今お電話大丈夫ですか?」

「全然、大丈夫です」

 電話越しに響く西島さんの低い声が、少し違う人の声みたいで緊張した。

「夜分すみません。電話のほうが早いかと思ったので」

「いえいえ。というか、西島さんまだ起きてたんですね」

「まぁいろいろと雑務がありまして。それで都合の良い日についてですが、今週はちょっといろいろ立て込んでいますので、来週の土曜日でしたら私も空いていますがどうでしょう」

「来週の土曜日ですね!西島さんが大丈夫なら大丈夫です」

「その日は家から来ますか?」

「たぶん大学から行くと思います」

「ではM駅東口に19時で待ち合わせはどうでしょうか」

「いいですね」

「駅の近くにいい居酒屋を知っていますのでお連れしますね。では来週の土曜日M駅東口19時にお会いしましょう」

「わかりました」

「はい。また何かあったら連絡寄越してください」

「了解です」

「あ、ところで」

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