どうにもこうにも~出会い編~
 誰もいない公園の街灯が、私と西島さんを照らしだす。葉桜がそよそよと風にこすれて涼しげな音を奏でた。私たちはベンチに並んで座った。

「一応缶チューハイもありますが、ビールとチューハイどっちがいいですか?」

「ビール、いただいていいですか?」

「はい、どうぞ」

「ありがとうございます」

 缶のプルタブを開けると、プシュッといい音を立てた。

「「乾杯」」

 彼はごくごくと喉を鳴らしながら美味しそうに飲んだ。ビールを飲み下す度に喉仏が上下に動く。

「はぁー。やっぱり缶ビールも美味いですね。どうかしましたか?」

「あ、いや、美味しそうに飲むなぁと思って」

「美味しいですからね。石原さんもどうぞ、飲んでください」

「はい。いただきます」

 この日のビールはやけに美味しかった。空きっ腹にしみた。

「もしかして、私のこと待ってたんですか?」

「近くを通りかかったものですから、10分15分くらい待って出てこなかったら帰ろうかと思っていましたが、案外早く出てきましたね」

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