どうにもこうにも~出会い編~
「値段は気にしなくていいですよ。奢らせてください」

「でも、悪いです、そんな」

「こういうときは男の顔を立てるものですよ」

「では、お言葉に甘えて」

 私は悩みに悩んだ末、ランチメニューのAランチを注文した。日替わりパスタとフォカッチャ、飲み物はコーヒーか紅茶というメニューである。私は紅茶を選んだ。

300円の単品デザートをつけるかつけまいか迷っていると、西島さんがすかさず注文してくれた。西島さんはちょっと高いBランチを頼んでいた。

 混んでいる割に、料理がくるのにそんなに時間はかからなかった。私は海老とトマトクリームソーススパゲティ、西島さんは鶏ひき肉と茄子のジェノベーゼスパゲティを食べた。

彼のランチのメインである仔羊の香草グリルとかいうのを半分も分けてくれた。私があまりに物欲しそうな顔をしていたからかもしれない。スパゲティもお肉もおいしくてペロリと平らげてしまった。

私たちは食べながらいろんな話をした。彼は週2,3回ジムに通っているらしい。細身なのに意外とマッチョ?実は脱いだらすごいのかもしれない。一人暮らしが長く、家事全般が得意らしい。料理も上手そうだ。私と言えば、大学に入ってからも実家暮らしなので家事も料理もお母さん任せで、作れるものと言ったら野菜炒めとかカレーくらい。ちょっと恥ずかしい。

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