どうにもこうにも~出会い編~
食事が終わってからしばらく雑談していたけど、汗で崩れた化粧が気になって私は席を立った。化粧室の鏡に映る自分の顔を見る。21歳、年相応の顔つきだ。

20以上も離れている彼には、きっと私みたいな若い小娘なんて恋人として似つかわしくない。人から見たら仲の良い父と娘みたいに見えているんだろうな。


なんて、私は何を考えているんだろう。


年が離れているとはいえ、彼との時間はあっという間で、話していて居心地がいい。彼との時間を楽しんでいる間に、刻一刻とお別れの時間が近づいているのかと思うと寂しく感じる。


席に戻ると、西島さんは頬杖をついて、細めた目で外の景色を眺めていた。どんなポーズでも様になる。きっとこの人は若い頃モテたはずだ。私が戻ってくるのに気付くと、ふっと柔らかな微笑みを浮かべた。

「このあと、まだ空いてますか?」

「あ、はい。空いてますよ」

「もしよろしければ、映画でも見に行きませんか?」

 なんと。思わぬ誘いに口元がほころぶ。

「ぜひ!」

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