どうにもこうにも~出会い編~
「み、三宅先輩?」
「少しの間だけ、俺のものでいて。俺のこと、西島さんだと思っていいから抱きしめてよ」
私はそろそろと両腕を彼の背中に回し、ぎゅっと抱きしめた。目を閉じる。今私が抱きしめている人が、西島さんだったら、と思う。ごめんなさい、三宅先輩。あなたの言葉通り、あなたを西島さんだと思って抱きしめます。
時間にしたらそんなに長くはなかったと思う。三宅先輩は私から身体を離した。三宅先輩は口角を上げてニコッと笑みをつくった。目は少し寂しそうだった。
「ごめんなさい…」
「謝んなって。俺が惨めだろうが」
彼は私の頭をぐりぐりと撫でた。
「いいい、痛いです!痛い!」
「つーかおまえ危機感ねーんだよ!本当だったらおまえのこと、このソファに押し倒してるところなんだからな!」
「ええ!?」
彼はわしゃわしゃと自分の頭をかいて、伏し目がちに言った。
「やっぱ俺には無理だわ。こんなところに連れ込んで悪かったな。帰ろ」
「はい」
私たちは研究室をあとにした。何事もなかったように、他愛もない話をしながら駅まで送ってもらってその日は終わった。
「少しの間だけ、俺のものでいて。俺のこと、西島さんだと思っていいから抱きしめてよ」
私はそろそろと両腕を彼の背中に回し、ぎゅっと抱きしめた。目を閉じる。今私が抱きしめている人が、西島さんだったら、と思う。ごめんなさい、三宅先輩。あなたの言葉通り、あなたを西島さんだと思って抱きしめます。
時間にしたらそんなに長くはなかったと思う。三宅先輩は私から身体を離した。三宅先輩は口角を上げてニコッと笑みをつくった。目は少し寂しそうだった。
「ごめんなさい…」
「謝んなって。俺が惨めだろうが」
彼は私の頭をぐりぐりと撫でた。
「いいい、痛いです!痛い!」
「つーかおまえ危機感ねーんだよ!本当だったらおまえのこと、このソファに押し倒してるところなんだからな!」
「ええ!?」
彼はわしゃわしゃと自分の頭をかいて、伏し目がちに言った。
「やっぱ俺には無理だわ。こんなところに連れ込んで悪かったな。帰ろ」
「はい」
私たちは研究室をあとにした。何事もなかったように、他愛もない話をしながら駅まで送ってもらってその日は終わった。