どうにもこうにも~出会い編~
数日後の夜、西島さんが選んだある高級ホテルのレストランで食事をすることとなった。こういうところの方が、バイト先のこじんまりとした居酒屋より彼には合っているような気がする。
夜だし、と思って濃いめのメイクにダークブルーのマキシ丈ワンピースを着ていった。もしものときのために、一番きれい目の下着も身に着けている。
ウェイターに案内されたテーブルで待っていると、彼は約束の時間より少し遅れてやってきた。ただの仕事着なのだろうけど、グレーのストライプスーツがスマートでかっこいい。
「遅くなってすみません。案件が少し長引いてしまいました」
「いえ、大して待ってないですよ」
私たちは赤ワインで乾杯して、フレンチのフルコースをご馳走になった。初めての高そうなコース料理で、フォークとナイフを持つ手がぎこちない。彼は、テーブルマナーなんて気にしなくていいよと言ってくれたが、彼の方は明らかに熟知した手つきだ。
「こういうお店、よく来るんですか?」
「そんな頻繁には来ませんよ。特別なときだけです」
特別なときだけ、か。私の内定祝は特別なときなんだな、と思って嬉しくなった。その反面、過去の彼女とこういうお店に来ていたのかもしれないと思うと少し嫉妬した。
夜だし、と思って濃いめのメイクにダークブルーのマキシ丈ワンピースを着ていった。もしものときのために、一番きれい目の下着も身に着けている。
ウェイターに案内されたテーブルで待っていると、彼は約束の時間より少し遅れてやってきた。ただの仕事着なのだろうけど、グレーのストライプスーツがスマートでかっこいい。
「遅くなってすみません。案件が少し長引いてしまいました」
「いえ、大して待ってないですよ」
私たちは赤ワインで乾杯して、フレンチのフルコースをご馳走になった。初めての高そうなコース料理で、フォークとナイフを持つ手がぎこちない。彼は、テーブルマナーなんて気にしなくていいよと言ってくれたが、彼の方は明らかに熟知した手つきだ。
「こういうお店、よく来るんですか?」
「そんな頻繁には来ませんよ。特別なときだけです」
特別なときだけ、か。私の内定祝は特別なときなんだな、と思って嬉しくなった。その反面、過去の彼女とこういうお店に来ていたのかもしれないと思うと少し嫉妬した。