どうにもこうにも~出会い編~
私たちは会っていなかった間のいろいろなことを話した。
私の就職活動やバイトのこと、彼の仕事の話や最近英語の勉強に力を入れていること、私が就職する会社と西島さんの会社が歩いて10分程度しかかからないくらい近いことも知った。
あっという間に時間は過ぎ、デザートのオレンジ・クレープシュゼットとやらを平らげ、食後の紅茶をすすった。
お互いに言葉少なになって、意識すればするほど間をもたせるような気の利いたことも言えなくなってしまった。もう少しでお別れの時間がきてしまうことを悟った。
「今夜はごちそうさまでした」
レストランを出たところで、私は彼にお礼を言った。
「いいえ。ご満足いただけましたか?」
「はい、とってもおいしかったです」
「それはよかった」
彼は優しく微笑んだ。
「改めまして、内定おめでとうございます。来年が楽しみですね」
彼は恭しく頭を下げたので、私もつられて頭を下げた。
「それでは、遅い時間でもありますし、そろそろ…」
「あの」
彼のお別れの言葉を遮り、なんとか彼を繋ぎとめたくて、自分でもあまりに大胆だと思うような、彼を困らせてしまうかもしれない言葉が私の口をついて出た。
「私、帰りたくないです」
「え?」
私の就職活動やバイトのこと、彼の仕事の話や最近英語の勉強に力を入れていること、私が就職する会社と西島さんの会社が歩いて10分程度しかかからないくらい近いことも知った。
あっという間に時間は過ぎ、デザートのオレンジ・クレープシュゼットとやらを平らげ、食後の紅茶をすすった。
お互いに言葉少なになって、意識すればするほど間をもたせるような気の利いたことも言えなくなってしまった。もう少しでお別れの時間がきてしまうことを悟った。
「今夜はごちそうさまでした」
レストランを出たところで、私は彼にお礼を言った。
「いいえ。ご満足いただけましたか?」
「はい、とってもおいしかったです」
「それはよかった」
彼は優しく微笑んだ。
「改めまして、内定おめでとうございます。来年が楽しみですね」
彼は恭しく頭を下げたので、私もつられて頭を下げた。
「それでは、遅い時間でもありますし、そろそろ…」
「あの」
彼のお別れの言葉を遮り、なんとか彼を繋ぎとめたくて、自分でもあまりに大胆だと思うような、彼を困らせてしまうかもしれない言葉が私の口をついて出た。
「私、帰りたくないです」
「え?」