幼き狂気
部活の時間。

体育館は別の部活が使っており、
僕達は部室前のスペースで筋トレをしていた。
そこは二階建ての建物で、
各部活動用の部屋が一階に5部屋、2回に5部屋の建物だ。

僕達の部活の部屋は2回だった。
ちょうどそこからはソフトボール部、テニス部、野球部、サッカー部が見渡せる。

その筋トレ休憩の最中、

何気なしに僕は校庭を眺めていた。

彼「筋トレ疲れた」

僕「そうだねぇ」

ちょっとだけ嫌な予感がした。

彼「ん?お前どこ見てんの?」

僕「別にどこも」

彼「お前、俺の彼女見てたろ?」
(嫌な予感は的中した…)

僕「見てない、というか、人の彼女をわざわざ見つけて眺めるような事しないよ…」
精一杯の抵抗だ。

彼「なんだその口の利き方。ちょっとこい。」

首根っこを掴まれ、部室のドアを開けられ、中に投げ込まれた。
その時…
近くを通りかかった先輩がいた。

先輩N「なにしてんの?面白そうだな、俺も入っていい??笑」

なんて悪趣味だ。
この状況を面白そうだって??
これにはさすがにゲロ吐く勢いだった。

だが、彼の口からは、意外な一言が。


彼「え?何が?先輩もやられたいんですか?笑
そっち側に混ざりたいんならいいっすよ笑」

あ然とした。
先輩は後輩である彼のその言葉にビビってしまい、作り笑いをしながら、去っていった。
情けない。(人の事は言えないが。)

ここからが本当の地獄だった。

部員が座る為に設置されているパイプ椅子を畳んだ状態で、まず脳天に一撃。

思わず声が出る。

僕「痛い!!」

彼「うるせぇ、お前、俺の彼女見たよな?」

まだ言っている…。
そんなことするメリットがないだろう。
意味が分からない。

僕「見てない…よ…」
これがまた相手の機嫌を逆撫でしたらしい。

今度は背もたれの部分の裏側を使ってもう一撃、みぞおちに蹴りを一撃、
あとは覚えてないが、ボコボコにされた。

痺れが切れた、というよりは

早く(これ)から解放されたい。
その一心で、

僕「見てました…ごめんなさい…。」


言ってしまった。

彼「てめぇ、嘘つきやがったな」
ここでまたエスカレート。
とにかく、彼が納得するまでは止まらない。
いいくらい殴る蹴るを繰り返し、彼が満足した所で突然くる終了。


(やっと終わった。助かった…生きてる…。)



こんな毎日、もう嫌だ。

いっそ死にたい。




そう思わない日は
なかった。

< 2 / 5 >

この作品をシェア

pagetop