とある企業の恋愛事情 -ある社長秘書とコンビニ店員の場合-
第7話 君の笑顔は僕の優しい陽だまり
翌朝、俊介は一番に聖に昨夜のことを報告した。あの店を教えてくれたのは聖だ。そういう店に詳しくなかった俊介は、聖のおかげでことなきを得たのだ。
「喜んでくれたのならなによりだわ」
「お前のB級グルメ好きも役に立ったな」
「酷いわね。せっかく教えてあげたのに」
「感謝してるよ。おかげで向こうも気にせずに食事できたみたいだ」
結局会計は綾芽が出してしまったが、代わりにランチを作る約束をしたからいいだろう。
食事したおかげで綾芽のことを色々聞くことができた。綾芽も少しは打ち解けてくれたようだ。
「でも、向こうも俊介が社長秘書だなんて知って驚いてたんじゃない?」
「いや……それは言わなかった」
「え? どうして?」
綾芽はかなり気をつかうタイプの人間のようだ。もし社長秘書だなんて分かったら、萎縮して食事が台無しになってしまう。平社員だと言っておけば気を使わずに済むだろう。
「立場が邪魔してコミュニケーションが取れないこともあるだろ」
「そうね……。でも俊介はそれぐらい彼女とコミュニケーション取りたいってことよね?」
聖は嬉しそうに笑った。
「そうじゃない。ただ心配なんだ。いろいろ聞いたし、頑張ってる子だから……」
「そっか。じゃあ、私もまた今度コンビニにお邪魔しようかな。あそこの煎餅おいしいのよね」
「必要なら俺が買ってくるよ」
「彼女に会いたいから?」
「……そうじゃない。業務に集中してもらうためだ」
聖は俊介を見てクスクスと笑いを堪えた。本堂と結婚したせいか、随分人をからかうのが上手くなったようだ。
だが、彼女がいうような理由ではない。本当に気になるから、それだけだ。
綾芽は恋愛などに興味なさそうだ。以前も男を振っていたし、もしちらりとでもそんな感情を見せたらこなかったに違いない。
自分たちは決してそんな関係ではないし、そんな関係になることはないだろう。
「喜んでくれたのならなによりだわ」
「お前のB級グルメ好きも役に立ったな」
「酷いわね。せっかく教えてあげたのに」
「感謝してるよ。おかげで向こうも気にせずに食事できたみたいだ」
結局会計は綾芽が出してしまったが、代わりにランチを作る約束をしたからいいだろう。
食事したおかげで綾芽のことを色々聞くことができた。綾芽も少しは打ち解けてくれたようだ。
「でも、向こうも俊介が社長秘書だなんて知って驚いてたんじゃない?」
「いや……それは言わなかった」
「え? どうして?」
綾芽はかなり気をつかうタイプの人間のようだ。もし社長秘書だなんて分かったら、萎縮して食事が台無しになってしまう。平社員だと言っておけば気を使わずに済むだろう。
「立場が邪魔してコミュニケーションが取れないこともあるだろ」
「そうね……。でも俊介はそれぐらい彼女とコミュニケーション取りたいってことよね?」
聖は嬉しそうに笑った。
「そうじゃない。ただ心配なんだ。いろいろ聞いたし、頑張ってる子だから……」
「そっか。じゃあ、私もまた今度コンビニにお邪魔しようかな。あそこの煎餅おいしいのよね」
「必要なら俺が買ってくるよ」
「彼女に会いたいから?」
「……そうじゃない。業務に集中してもらうためだ」
聖は俊介を見てクスクスと笑いを堪えた。本堂と結婚したせいか、随分人をからかうのが上手くなったようだ。
だが、彼女がいうような理由ではない。本当に気になるから、それだけだ。
綾芽は恋愛などに興味なさそうだ。以前も男を振っていたし、もしちらりとでもそんな感情を見せたらこなかったに違いない。
自分たちは決してそんな関係ではないし、そんな関係になることはないだろう。