とある企業の恋愛事情 -ある社長秘書とコンビニ店員の場合-
俊介は定刻通りに出勤したが、コンビニの前を通り過ぎた。店に行って気軽にできるような話ではない。きちんと時間をとって話し合いたかった。
だが、その後俊介は何度かコンビニの様子を遠巻きに確かめたが、綾芽は出勤していないようだった。
もしや、体の具合が悪いのだろうか。無理をさせたのかもしれない。綾芽は経験があるようには見えなかったし、加減したつもりでもそれは男側の勝手な意見だ。綾芽はかなり無理をしていたのかもしれない。
メッセージを送ろうかと悩んだが、今の綾芽には軽く捉えられるかもしれない。とにかく自分の気持ちをちゃんと説明しようと一度電話をかけたが、綾芽は出ることはなかった。
早く綾芽の顔を見て安心したかった。だが、次の日も綾芽は出勤していないようだった。
綾芽のシフトは知っている。平日の月曜から金曜、朝七時から午後五時までのシフトだ。だから毎日彼女はそこにいるはずだった。
連絡にも相変わらず返事がない。妙な胸騒ぎがした。
俊介はコンビニの店内に入って綾芽の姿を探した。だが、綾芽はやはりいない。仕方ないので出勤していた萩原に尋ねることにした。
「すまない、今日は立花さんはいないのか?」
萩原は振り返って少し驚いたような顔をした。
「あ、いえ……昨日から休んでいます」
「……そうか」
本当にただ具合が悪いだけだろうか。もしや、昨日のことを悪い方に捉えて一人で悩んでいるのではないだろうか。それなら早く説明してやらないと酷い誤解に発展しかねない。
「ありがとう、分かった」
踵を返し、コンビニから出た。スマホを取り出し電話をかける。だが、帰ってきたのは無機質な女性の声だった。
俊介はぼんやりその声を聞きながら、途中で綾芽の声がしないかと期待したが無駄に終わった。
どうしていつもここぞという時に失敗するのだろう。仕事ではこんな失敗はしないのに、なぜ綾芽のことばかりうまくいかないのだろう。
スマホに表示された「立花綾芽」の文字がやけにかすれて見えた。この間の酒が抜けていないのだろうか。だから酒など飲まない方が良かったのだ。
だが、その後俊介は何度かコンビニの様子を遠巻きに確かめたが、綾芽は出勤していないようだった。
もしや、体の具合が悪いのだろうか。無理をさせたのかもしれない。綾芽は経験があるようには見えなかったし、加減したつもりでもそれは男側の勝手な意見だ。綾芽はかなり無理をしていたのかもしれない。
メッセージを送ろうかと悩んだが、今の綾芽には軽く捉えられるかもしれない。とにかく自分の気持ちをちゃんと説明しようと一度電話をかけたが、綾芽は出ることはなかった。
早く綾芽の顔を見て安心したかった。だが、次の日も綾芽は出勤していないようだった。
綾芽のシフトは知っている。平日の月曜から金曜、朝七時から午後五時までのシフトだ。だから毎日彼女はそこにいるはずだった。
連絡にも相変わらず返事がない。妙な胸騒ぎがした。
俊介はコンビニの店内に入って綾芽の姿を探した。だが、綾芽はやはりいない。仕方ないので出勤していた萩原に尋ねることにした。
「すまない、今日は立花さんはいないのか?」
萩原は振り返って少し驚いたような顔をした。
「あ、いえ……昨日から休んでいます」
「……そうか」
本当にただ具合が悪いだけだろうか。もしや、昨日のことを悪い方に捉えて一人で悩んでいるのではないだろうか。それなら早く説明してやらないと酷い誤解に発展しかねない。
「ありがとう、分かった」
踵を返し、コンビニから出た。スマホを取り出し電話をかける。だが、帰ってきたのは無機質な女性の声だった。
俊介はぼんやりその声を聞きながら、途中で綾芽の声がしないかと期待したが無駄に終わった。
どうしていつもここぞという時に失敗するのだろう。仕事ではこんな失敗はしないのに、なぜ綾芽のことばかりうまくいかないのだろう。
スマホに表示された「立花綾芽」の文字がやけにかすれて見えた。この間の酒が抜けていないのだろうか。だから酒など飲まない方が良かったのだ。