若旦那様は愛しい政略妻を逃がさない〜本日、跡継ぎを宿すために嫁入りします〜
「これをこうして巻いていきます」
翠子さんが巻いてみせたのを真似て、私もやってみる。しかし、翠子さんのようにうまく巻けない。
「それではダメですね」
翠子さんのダメ出しでもう一度やり直す。何度もやってようやく「まあ、これなら」とOKが出る。
「では、私は大奥さまのもとへ戻ります。なにかあったら直治常務に聞いてくださいね」
「はい。翠子さん、ありがとうございました」
翠子さんが出ていって、私は反物を手に取り、巻き始めた。
しばらくすると、ドア口に誰かが立ったのがわかった。顔を向けると、絢斗さんだった。
「反巻きをやれと、おばあさまが?」
絢斗さんは中へ入ってきて、私の手元を見る。
「はい」
「反巻きはまだ早い。どれもこれでは戻せない。見ていろ」
絢斗さんは私が巻いた反物を広げてから指と腕をうまく使ってくるくると巻きつけていく。その動作は乱れもなく素早く美しい。あっという間に巻き終えてしまった。
翠子さんが巻いてみせたのを真似て、私もやってみる。しかし、翠子さんのようにうまく巻けない。
「それではダメですね」
翠子さんのダメ出しでもう一度やり直す。何度もやってようやく「まあ、これなら」とOKが出る。
「では、私は大奥さまのもとへ戻ります。なにかあったら直治常務に聞いてくださいね」
「はい。翠子さん、ありがとうございました」
翠子さんが出ていって、私は反物を手に取り、巻き始めた。
しばらくすると、ドア口に誰かが立ったのがわかった。顔を向けると、絢斗さんだった。
「反巻きをやれと、おばあさまが?」
絢斗さんは中へ入ってきて、私の手元を見る。
「はい」
「反巻きはまだ早い。どれもこれでは戻せない。見ていろ」
絢斗さんは私が巻いた反物を広げてから指と腕をうまく使ってくるくると巻きつけていく。その動作は乱れもなく素早く美しい。あっという間に巻き終えてしまった。