若旦那様は愛しい政略妻を逃がさない〜本日、跡継ぎを宿すために嫁入りします〜
「ミオ、今の人誰?」
店に入った途端、マイクの息子で、私より四歳上のジョシュアが肩に腕を回してくるが、それはいつものこと。
「パパよ」
「え? 日本からやってきたんだよな?」
「うん。話があるとかで」
いつまでもここで話をしていたら、マイクに叱られる。自分の息子には甘いマイクだけど、従業員には厳しい。
「わざわざ?」
眉をひそめたマイクは怪訝そうな表情になる。
「夕食を食べながら話をしてくるわ。さ、仕事しなきゃ」
棚に陳列されている商品のずれを直し、「じゃあね」と、バックヤードへ戻った。
仕事が終わった。店は二十一時までやっているが、私は十九時まで。
数時間前、三十分の休憩時間中に土産物店を抜け出して、高級ホテルでもおかしくない服を近くのブティックで購入していた。
従業員用の更衣室で、エメラルドグリーンの襟付きノースリーブのシャツワンピースに、薄手のベージュのカーディガンを羽織り、同じ色のサンダルに履き替える。
店に入った途端、マイクの息子で、私より四歳上のジョシュアが肩に腕を回してくるが、それはいつものこと。
「パパよ」
「え? 日本からやってきたんだよな?」
「うん。話があるとかで」
いつまでもここで話をしていたら、マイクに叱られる。自分の息子には甘いマイクだけど、従業員には厳しい。
「わざわざ?」
眉をひそめたマイクは怪訝そうな表情になる。
「夕食を食べながら話をしてくるわ。さ、仕事しなきゃ」
棚に陳列されている商品のずれを直し、「じゃあね」と、バックヤードへ戻った。
仕事が終わった。店は二十一時までやっているが、私は十九時まで。
数時間前、三十分の休憩時間中に土産物店を抜け出して、高級ホテルでもおかしくない服を近くのブティックで購入していた。
従業員用の更衣室で、エメラルドグリーンの襟付きノースリーブのシャツワンピースに、薄手のベージュのカーディガンを羽織り、同じ色のサンダルに履き替える。