若旦那様は愛しい政略妻を逃がさない〜本日、跡継ぎを宿すために嫁入りします〜
だけど、さっきのは冷たい視線だった……なんであんな風に私を見るの?
「澪緒、まだ時間がかかるようだ。食事をしなさい。私は知り合いに挨拶してくる」
「はい」
父は私から離れ、知り合いの男性の方へ歩を進めた。
私を知り合いに紹介できないのね……。うまく使おうとしている娘だもんね。
急に息苦しくなって、大きく深呼吸をする。
人に酔っちゃったのかも。帯が苦しくて、食事もしたくない。
窓へ近づき、慣れない草履でパーティー会場を離れる。
庭園には薄いピンク色のコスモスや赤いサルビアが咲き誇り、金木犀のいい香りが鼻をくすぐる。
滝がある柵のところまで来て足を止めた。
「あ、虹……」
滝の水しぶきでうっすらと虹を作っていた。
ほとんど入らない小さなバッグを開けて、スマホを取り出して虹を撮る。ついでに虹をバックに自撮りもする。
虹には母との思い出がある。
「澪緒、まだ時間がかかるようだ。食事をしなさい。私は知り合いに挨拶してくる」
「はい」
父は私から離れ、知り合いの男性の方へ歩を進めた。
私を知り合いに紹介できないのね……。うまく使おうとしている娘だもんね。
急に息苦しくなって、大きく深呼吸をする。
人に酔っちゃったのかも。帯が苦しくて、食事もしたくない。
窓へ近づき、慣れない草履でパーティー会場を離れる。
庭園には薄いピンク色のコスモスや赤いサルビアが咲き誇り、金木犀のいい香りが鼻をくすぐる。
滝がある柵のところまで来て足を止めた。
「あ、虹……」
滝の水しぶきでうっすらと虹を作っていた。
ほとんど入らない小さなバッグを開けて、スマホを取り出して虹を撮る。ついでに虹をバックに自撮りもする。
虹には母との思い出がある。