キミに幸せの花束を
──ガチャ


「ん〜…気持ちぃ…」


7月になってだんだん暑くなってきたけど、爽やかな風が心地いい。


日陰に座っていると、だんだん眠くなってきて私は目を閉じた。


──────



―――バァンッ

耳をつんざく様な銃声が聞こえた後、私の視界が真っ赤に染まった。


それが私に覆いかぶさって庇った2人の血だと気づくのに時間がかかった。


そんなこと現実だなんて思いたくなかった。


でもそれは紛れもなく現実で、目の前にいる両親を撃った男は狂気に満ちた顔で笑っていた。


『ごめんな…恋莉。幸せに、いき、て…』


『瑞希-ミズキ-を…よろしくね…』


だんだんと2人の温もりが無くなっていく。


嫌だ、嫌だ、嫌だっ…


死なないで、置いてかないで…!!


『いやぁぁぁっ!』




バッと起き上がると尋常じゃないほど汗をかいていて、涙が頬をつたっていた。


3年前のことなのに昨日の事のように思い出されるこの記憶。


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